レントゲン画像中央の左下第二大臼歯にメタルコアとメタルクラウンがセットされていると考えられます。

「考えられます」というのはメタルコアとメタルクラウンが一体化したポストクラウンである可能性があるからです。

ポストクラウンですと金属は1個、メタルクラウンとメタルコアであれば金属は2個です。

 実際の左下臼歯部分です。

金属除去ですのでラバーダムを装着して切削片から口腔粘膜をます。 

顕微鏡（マイクロスコープ）での視点です。

5倍速コントラでまずはメタルクラウンを切削します。

メタルクラウンがまずは除去できました。 

内面の状態です。

メタルクラウン内面には脱落防止のための突起が存在しており、支台歯側の保持孔に嵌る構造になっています。

しかし、周囲からの漏洩はメタルクラウンが脱落していなくても容赦なく起こっていることが判ります。

支台歯側の状態です。

中央に保持孔が設けられています。

再び顕微鏡での視点です。

メタルコアも5倍速コントラで慎重に分割していきます。

まずは奥側半分が取れました。

続いて手前側も取れました。

メタルコアを除去した歯の状態です。

メタルコアと歯の隙間に漏洩していたことが判ります。

取れていないけど取れているのと同じ状態といえます。 

次回より、再根管治療を行います。

除去したメタルコアです。


金属と歯の熱膨張率が異なることは技術ではどうにもできない性質です。

弊オフィスでは天然歯に対する一切の金属治療を廃止するため、保険医登録を辞退しています。


T・Fさん、本日2個の金属がおくちの中から無くなりました。

次回からの再根管治療も楽しみです。


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