
右上第一大臼歯の近心頬側根の先端に過去の治療で用いられたヤスリ(=ファイル)のカケラが残っています。
また、この歯を原因としていると考えられる病変として
上顎洞にドーム状の粘膜の肥厚もしくは粘液の貯留が見受けられます。
(2018.01.28 初診時撮影)
遠心頬側根には根管充填がなされていないこともわかります。
まず、手前の小臼歯2本の根管充填を終えた時点でのデンタルX線写真です。
矢印の右上第一大臼歯はメタルクラウン(金属のかぶせもの)を除去した段階で、まだメタルコアが装着されています。
近心頬側根の先端にはヤスリのカケラが突き刺さっています。
口蓋根管のみ充填されているようです。 (2018.04.21撮影)
近心頬側根管を顕微鏡で覗きながら根管内部から超音波振動を与えて除去を試みます。
中央で光っているところがヤスリのカケラの上面です。
(2018.06.02 顕微鏡画像)
根管内部からのアプローチではすべてを除去することは困難なケースでしたので、外科的に除去する方法に切り替えます。
(2018.06.09)
歯根の先端に頬側から顕微鏡下で外科的に開窓してアプローチし、ヤスリのカケラを除去しました。
(2018.06.13)
リーマーの先端だと思われます。
無理な力をかけたり、金属疲労を起こしたヤスリが折れてしまって数十年間残っていました。
ご多忙のため、治療期間はかかりましたが、排膿も無事治まりましたので
本日、3根管とも根管充填を行いました。
鼻の通りが良くなった気がするというお話を伺いました。(患者さんの体験談であり、効果を保証するものではありません。)
M・Hさん、この歯が良くなって上顎洞のコンディションも改善することを願っています。
※この歯のケースでは際根管治療の開始から根管充填までに6回、費用は約16万円です。
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広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
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すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)