
画像中央の左下第一大臼歯の近心根が割れています。
過去に根管治療がなされている失活歯です。
残念ですが竹を割るように割れています。
歯科用CTによる初診時の立体画像です。(1度の撮影で上段の平面のレントゲン画像と共に得られます)
割れている近心根の根尖及び遠心根の先端に根尖病変が存在していることが判ります。
抜歯してインプラント治療で歯を補うことをご選択です。
表面麻酔後に注射による局所麻酔を行い、抜歯をスタートします。
抜歯鉗子で揺さぶりを加えます。
(初診時は検査・ご説明までとし、初診時には原則として不可逆的な処置は行いません。)
クラウンが取れたあとの歯の状態です。
割れてずれている部分に軟組織が入り込んでいることが判ります。
慎重にカケラを除去といいますか抜歯していきます。
根管充填材であるガッタパーチャがオレンジ色に見えています。
遠心根の抜歯も無事に終えました。
根尖の病変の肉芽組織が一緒についてきました。
内部に炎症性の肉芽組織が存在していますので、しっかりと掻爬(そうは:掻き出すこと)します。
掻爬した肉芽組織です。
これを取り残すと骨性の治癒が阻害されます。
掻爬後には頬舌側の歯肉を封筒状に剥離し、ソケットプリザーベーションに備えます。
ソケットプリザーベーションとは、抜歯後にインプラント治療を行い易くするため
骨の治癒を円滑に進め、骨量を保つための処置です。
骨増生因子を含むエムドゲインと骨補填材で抜歯窩を満たし、
d-PTFEシートであるサイトプラストを剥離した粘膜内に滑り込ませ縫合します。
吸収性の縫合糸で縫合を終えました。
約10日から2週間後に抜糸します。
約6週後にシートを除去します。
Y・Aさん、抜歯のご決断は辛かったと思いますが、後は治癒待つばかりですね。
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広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
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すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)