
矢印部分には膿の出口であるフィステル(=瘻孔)が形成されています。
亀裂があることが判ります。
歯を斜めに横断するかの如く割れています。
膿や口腔内細菌は血流を巡って心臓にも到達することが判っており、
炎症が広がることで骨欠損が大きくなれば抜歯後のインプラント治療にも影響を及ぼしますので抜歯をご決断です。
表面麻酔と浸潤麻酔を行い、まずはヘーベルで動かして抜歯を始めます。
割れているとはいえ、抜歯鉗子でグリップすることができれば抜歯が容易ですので試してみます。
幸いにもグリップ出来ましたので通法どおり動かしていきます。
「とりあへず抜歯鉗子で掴んでみる」というのは大切です。
歯根の周囲にびっしりと炎症性の肉芽組織が付着しています。
残念ではありますが、いままでお疲れさまでしたとしか言えません。
抜歯することで全身状態のこれ以上の悪化を食い止めたと前向きにとらえる必要があります。
抜歯後の穴である抜歯窩です。
内部にはまだ炎症性の肉芽組織が残っていますので掻爬して取り除きます。
ここからは骨増生処置のひとつであるソケットプリザーベーションを行い、
治癒後のインプラント治療の際に骨が無くて困ることを防止します。
下準備として粘膜を封筒状にエンベロープ形成しておきます。
d-PTFE膜であるサイトプラスト メンブレンを粘膜と骨の間に挿入しておき、骨移植材とエムドゲインをミックスしたものを抜歯窩に入れます。
サイトプラストをカバーするように頬側の粘膜と骨の間に滑り込ませ吸収性の縫合糸で縫合して完了です。
メンブレンは6週後に除去し、最低でも3か月後にインプラントの埋入計画を立てます。
A・Sさん、三原市からのお越しに恐縮です。
よくぞご決断なさいました!治癒後が楽しみですね。
もしよろしければ
ブログランキングに投票のため、このリンクのクリックお願いいたします。
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)