
かなり根尖(歯根の先端)から突き出ていますので、
根管内部から除去することは事実上不可能ですので外科的除去を行います。
実際の右下第一大臼歯です。
局所麻酔後に根尖相当部分の粘膜を剥離します。
根尖部分は炎症性の肉芽組織が存在していましたので除去します。
ヤスリのかけらは超音波スケーラーで振動させると内部引っ込みつつも引っ掛かり、
引っ張ったとしても抜けない状態でしたので、
やむなくごくわずかに歯根の先端をカットし、器具片を除去しました。(歯根端切除術)
器具のかけらを除去する際に粘膜を剥離した隙間に落としては絶対にいけません。
肉芽を除去したあとの空間にはコラーゲンスポンジを挿入します。
ある程度の治癒後に根管内部から通常通り根管充填を行います。
根尖からの逆根充は、根管内部からどうしても根尖まで到達できない場合にのみ行います。
7~10日後に抜糸します。
除去した器具のかけら(器具片・ファイル片・折れて残ったヤスリの先端)です。
HファイルでもKファイルでもリーマーでもない、どうやらモーター駆動のヤスリのようです。
いずれにせよ、絶対に折れないヤスリ・器具はありませんので、慎重さこそが重要です。
4㎜弱も折れたとすれば術者は必ず気付くはずですから、その後の適切な対応も必要です。
タイムマシンに乗って、器具の折れる前、ひいては神経を取る前の状態でお目にかかりたいと思わずにはいられません。
しかし、折れている器具のかけらの「おかげ」で弊オフィスのビジネスも成立していますので
根源的なジレンマを抱えていることは残念ながら確かなことです。
N・Hさん、無事に取れてホッとしました。
後で痛むかもしれませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)