
右上前歯(中切歯)の歯根部分にフィステル(瘻孔)が存在しており、
歯の位置も挺出によるためか、伸びて見えます。
過去に歯根端切除手術がなされており、歯根が短くなっています。
歯根の先端に球状の病変が存在しており、歯根自体に亀裂が入っています。
唇側骨がほぼ全て欠損しています。
骨欠損の範囲と、歯根の亀裂と、歯根端切除による歯根の短縮により
このままでは治癒が見込めないため、残念ながら抜歯をご決断です。
やはり歯根は短く、明確な亀裂も入っています。
抜歯を終えたあとの穴、抜歯窩(ばっしか)には炎症性の軟組織である肉芽組織が大量に存在しています。
抜歯した右上中切歯です。
亀裂が口蓋側にも入っています。
歯根端切除手術は当然のことながら歯根が短くなるため、私は肯定的ではありません。
※上記の意見は、あくまでも私個人の見解を述べたものにすぎません。
粘膜を剥離し、徹底的に肉芽組織を取り除いていきます。
肉芽組織の掻把・除去を終えましたら、抜歯後の骨再生を助けるため、ソケットプリザーベーションを行います。
dPTFE膜であるサイトプラストを保護膜として用います。
抜歯窩には骨移植材を満たします。
舌側歯肉のエンベロープ内にサイトプラストを滑り込ませ垂直マットレス縫合します。
フィステルはこの段階では切除せず、自然治癒をまずは期待します。
切除すると歯肉弁に穴が開き、口腔内と抜歯窩が交通してしまうリスクがあるためです。
即時重合レジンで製作した仮歯を両隣在歯に接着して本日の処置は終了です。
骨再生後にインプラント治療を行う予定です。
M・Rさん、少々大がかりな処置となりましたでお疲れのことと思います。
まずは治癒を待ちましょう!
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)